会長・豊田章男氏が語った“技術継承”と、社長が掲げる「楽しいクルマ」への回帰

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トヨタは2025年12月、TOYOTA GAZOO Racing(GR)ブランドの新型フラッグシップスポーツカー**「GR GT」**を世界初公開した。
本モデルは、トヨタのモータースポーツ活動で培った技術を市販車へと還元する象徴的な一台として位置づけられており、2000GTやLFAに連なる“トヨタ最高峰のスポーツカー”として大きな注目を集めている。
発表イベントでは、トヨタ会長でありGRのマスタードライバーを務める豊田章男氏が登壇。
直接的な車名言及は控えつつも、GR GTの開発思想につながるコメントを残した。
「秘伝のタレを未来に残したい」——豊田章男会長の発言
発表イベントの場で豊田会長は、次のような趣旨の発言を行っている。
「モータースポーツの現場で磨いてきた技術や感覚は、一度途切れると取り戻せない。
秘伝のタレのように、次の世代へ受け継いでいかなければならない」
このコメントは、GR GTが単なる高級スポーツカーではなく、
**“レースで鍛えた技術と思想を市販車として残す存在”**であることを強く印象づけるものだ。
実際、GR GTと同時にGT3規格のレーシングカー「GR GT3」も公開されており、
レースカーと市販車を同時並行で育てていくという、GRブランドの思想が明確に示された形となった。
社長・佐藤恒治氏が示してきた「楽しいクルマ」重視の姿勢
一方、現トヨタ社長の佐藤恒治氏は、GR GT個別についての直接コメントは現時点では出していない。
しかし、過去の決算説明会や海外メディアのインタビューでは、次のような発言を繰り返している。
「クルマは楽しくなければ、クルマではない」
この言葉は、電動化や効率化が進む現在の自動車業界において、
“走る楽しさ”を改めて重視する経営姿勢を示す象徴的なフレーズとして紹介されてきた。
GR GTはまさに、この方針を体現するモデルと見ることができ、
経営トップの考え方と開発現場の方向性が一致していることがうかがえる。
GR GTの概要と狙い
GR GTは、GRブランドの頂点に立つフラッグシップスポーツカーとして開発中のモデルだ。
- 新開発 V8ツインターボ+ハイブリッド パワートレインを採用
- 高出力・高トルクを前提としたFRレイアウト
- レース由来の空力思想と軽量・高剛性シャシー
- サーキット走行も視野に入れた本格的な運動性能
トヨタは本モデルについて、「公道を走れるレーシングカー」という思想を掲げており、
単なるラグジュアリーカーではなく、**“走らせてこそ意味のあるスポーツカー”**を目指している。
価格帯とターゲット層
GR GTの正式価格は未発表だが、海外メディアや関係者の見方では、
- 3000万〜7000万円前後
- あるいはそれ以上のレンジ
になる可能性が指摘されている。
想定されるターゲット層は、
- ハイパフォーマンススポーツカーを求めるユーザー
- サーキット走行やモータースポーツ文化に理解のある層
- フェラーリやポルシェといったスーパースポーツを比較検討する層
価格以上に「走りの質」や「思想」を重視するユーザーが主な対象となりそうだ。
今後の展開
GR GTの市販モデルは2027年頃の登場が見込まれている。
今後は、
- 市販仕様の詳細スペック
- 正式な価格
- 生産台数や販売方法
などが段階的に明らかになるとみられる。
また、GR GT3のレース活動と並行して開発が進むことで、
“走るためのクルマ”としてどこまで完成度を高めてくるのかも注目点だ。
まとめ
GR GTは、トヨタが再び世界に向けて放つ本気のスポーツカーであり、
その背景には、
- 豊田章男会長が語る「技術と精神の継承」
- 佐藤恒治社長が掲げる「楽しいクルマづくり」
という、経営トップの思想が色濃く反映されている。
電動化が加速する時代において、
トヨタがあえて“走り”に真正面から向き合う姿勢を示したGR GT。
その完成形がどのような姿で登場するのか、今後の続報に注目が集まる。

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